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ゆりbutainunana

Author:ゆりbutainunana
デザインとイラストの仕事をしています。アートボランティアとして横浜をうろうろしていることも。
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ゴヤ 光と影/国立西洋美術館

国立西洋美術館で開催されたゴヤ 光と影展へ行ってきました。この展覧会は、日本で久しぶりに開催されるゴヤの大型回顧展だそうで、プラド美術館コレクションから72点、国立西洋美術館など国内の美術館が所蔵する版画51点で構成されているそうです。公式HPは→こちらから特に目玉の一つ「着衣のマハ」。来日は実に40年ぶりだそうで、(もちろん産まれていないので当時の状況は分かりません!)その傑作を含め123点すべてゴヤの作品と... 国立西洋美術館で開催された<strong><span style="color: rgb(255, 102, 0); ">ゴヤ 光と影展</span></strong>へ行ってきました。<br /><br />この展覧会は、日本で久しぶりに開催されるゴヤの大型回顧展だそうで、プラド美術館コレクションから72点、国立西洋美術館など国内の美術館が所蔵する版画51点で構成されているそうです。<br /><br /><img alt="120127a.jpg" border="0" width="510" height="381" src="//blog-imgs-49-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/120127a.jpg" /><br /><br /><br />公式HPは→<a href="http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html">こちら</a>から<br /><br />特に目玉の一つ「着衣のマハ」。来日は実に40年ぶりだそうで、(もちろん産まれていないので当時の状況は分かりません!<br />)その傑作を含め123点すべてゴヤの作品というとても贅沢な展覧会です。<br /><br />正直、本場のプラド美術館へ行っても素描や版画をこれだけ堪能できる機会はないと思います。展示はされていると思いますが、あの場所へ行っても見ている余裕などないと思いますよ。世界の宝だらけの場所ですから。<br />ということを考えても、今回の素描と版画を観られる機会は相当貴重だと思います。<br /><br /><br /><img alt="line2.png" border="0" width="369" height="18" src="//blog-imgs-45-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/line2.png" /><br /><br /><br />やはり今回の展覧会の魅力と言えば、初期の油絵の作品から晩年の作品まで観られるところ。<br />若い時野心に燃えていたゴヤは生活の糧を得るためにたくさんのタペストリー原画を描いています。<br /><br /><br /><img alt="120127h.jpg" border="0" width="369" height="255" src="//blog-imgs-49-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/120127h.jpg" /><br /><span style="color: rgb(153, 153, 153); ">《日傘》<br />1777年 油彩/カンヴァス 国立プラド美術館</span><br /><br />この作品、すごく色合いが明るいですよね、後々の戦争の悲惨さを描いている作品とは明らかに違う。女性の表情がとてもかわいらしいですよね。うん、すごくかわいい。私の隣りでおじさんが表情をちょっと鉛筆でスケッチしていましたよ。分かります、とても魅力的ですもん。私も描きたかった。当時の平和な風景を良く表していますよね。空も青くて清々しい。<br /><br /><br />このようなゴヤの作品も観られたのはうれしいですよね。おどろおどろしい作品ばかり描いてたわけではないですから。<br />でも、他のタペストリー原画として「木登りをする少年たち」や「猫の喧嘩」という作品もあり、何故このようなテーマをタペストリーとして制作したのかが興味持ちました。 背中丸めて怒ってる猫可愛かったけれど、ありとあらゆるシーンをテーマにしたんですね。当時さかんに作られていたものだからこそなのかなと思いました。<br /><br /><br /><br /><img alt="120127b.jpg" border="0" width="215" height="284" src="//blog-imgs-49-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/120127b.jpg" /><br /><span style="color: rgb(153, 153, 153); ">《〈夢〉19番 男が文無しであることを知っていて笑いを抑え切れぬ老婆たち》<br />[〈ロス・カプリーチョス〉5番のための準備素描]<br />1796-97年 ペン・セピア/紙 国立プラド美術館</span><br /><br />さて、先ほどの《日傘》から20年ほど経ってからの素描作品。随分テーマが社会派な内容ですよね。無一文の男に胸を見せて笑っている娼婦。後ろの老婆は売春の仲介役なのではないかと言われているそうですが、世相を反映しつつ、滑稽な内容ですよね。ゴヤの版画作品はかなりウィットにとんでいるものが多いなと感じます。すごく辛辣な場面を描いているのですが、ちょっと笑いも感じさせるものもある。いわゆる戯画や風刺画とは違いますが出てくる人のしぐさや表情がとてもとても豊かだなと感じるのです。<br />飛んだ意見かもしれませんが、これもスペインの風土が関係しているのでしょうかね。<br /><br />またゴヤの素描は、ペンや墨、石版用のチョークなどたくさんの画材で描かれていて、その都度捉えようとしているものの違いを感じ取ることができて面白かったです。この絵は全体の構図を知りたかったんだなとか、この時は人の表情や服のしわ量感を追っているんだなとか、画材によっても描くテーマが違いましたね。さらになかなか作品としての完成度も高いものばかりで、デッサン力のすごさを知ることができましたし。<br /><br /><br /><br /><img alt="120127c.jpg" border="0" width="208" height="284" src="//blog-imgs-49-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/120127c.jpg" /><br /><span style="color: rgb(153, 153, 153); ">《赤い礼服の国王カルロス4世》<br />1789年頃 油彩/カンヴァス<br />国立プラド美術館</span><br /><br />この作品、刺繍なども細かいですよね。印象的なのが背景の黒。とても深い黒なので、着ている赤い服がすごく映えますね。<br />このように背景を黒やモノトーンで描いている肖像画が今回もたくさん展示されていました。このような肖像画が、マネに影響を与えたのでしょうね。ドラマチックでインパクトの強い肖像画ですよね。<br /><br /><br /><br /><img alt="120127f.jpg" border="0" width="180" height="283" src="//blog-imgs-49-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/120127f.jpg" /><br /><span style="color: rgb(153, 153, 153); ">《ガスパール・メルチョール・デ・ホベリャーノスの肖像》<br />1798年 油彩/カンヴァス<br />国立プラド美術館</span><br /><br />描きかけの付けほくろで有名な肖像画「<span style="color: rgb(128, 128, 0); ">マリア・ホセファ内親王</span>」や、「<span style="color: rgb(128, 128, 0); ">スペイン王子フランシスコ・デ・パウラ・アントニオの肖像</span>」の作品を観ていてもさすがだなと感じるのがその肖像画に描かれている人の表情ですよね。その人の正確をとてもよく表しており、宮廷に重用されたことも頷けます。<br />この《ホベリャーノスの肖像》も表情がとてもいい。まさにメランコリックなしぐさですよね。この作品場面設定も人物の描写もとても秀でていて、物語性を感じます。<br />彼はゴヤのパトロンでもあり、コレクターでもありました。啓蒙主義者だった彼のむずかしい表情は人柄を表しているのでしょう。光の描き方もとてもドラマチックですよね。ものすごく意識して描いている。奥にある女神像もちゃんと計算された光沢を表現しています。<br />すべてにおいて計算され尽くした絵だなと感じました。私はとても印象に残った作品です。<br /><br /><br /><br /><img alt="120127d.jpg" border="0" width="284" height="170" src="//blog-imgs-49-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/120127d.jpg" /><br /><span style="color: rgb(153, 153, 153); ">《マドリード闘牛場の無蓋席で起こった悲劇と、トレホーン市長の死》<br />[〈闘牛技〉21番のための準備素描]<br />1815-16年 サンギーヌ/簀目紙 国立プラド美術館</span><br /><br />この作品は随分むごいシーンを描いていますが、当時ゴヤは大の闘牛好きだったようで、闘牛に関する本を出そうと思っていたそうです。<br />今で言うと、スポーツ雑誌に似たようなものを考えていたのでしょうかね。スタジアムでの様子や見せ場、その場の雰囲気をダイジェストで伝えるような。<br />この場面、版画になると随分構図が変わります。この起きたことを瞬時に捉えるクロッキーのようなスケッチを観られるなんて貴重ですよね。<br />さささっと描いているゴヤのタッチの生々しさ。こういう臨場感を感じる作品を観られるのはうれしいです。ゴヤも夢中になって捉えようとしていたのでしょうね。<br /><br />サンギーヌは何か、ちょっと調べてみました。<br />赤色顔料の一種でその顔料を使用したコンテのこと、またそれで描かれた絵のことも言うそう。サングはフランス語で「血」という意味だそうですね。まさに血生臭いイメージを出すということでしょうかね。<br />昔のデッサンはよくこのコンテで描かれていますが、現在はあまり見かけませんよね。少なくとも、代ゼミ造形でも大学でも私は使ったことないです。<br /><br /><br /><br /><img alt="120127e.jpg" border="0" width="223" height="283" src="//blog-imgs-49-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/120127e.jpg" /><br /><span style="color: rgb(153, 153, 153); ">《蝶の牡牛〈素描帖G〉53番》<br />1824-28年 コンテ、鉛筆/灰色の簀目紙<br />国立プラド美術館</span><br /><br />この作品、ちょっと面白い場面ですよね。後半になればなるほど、不思議な世界を描くようになってきます。<br />この頃ボルドーへ移住していたそうで、自由に想像力を働かせて描いていますよね。<br />牛が飛んでいるのはたくさんの蛾?蝶が付いているから。でもその羽の模様よく観ると人の顔が描かれているようにも感じるのです。<br />このような独創性ある作品描けるのは本当にうらやましい。発想力ある人には本当に適いません。。<br />もっと自分も画面設定考えて描こう。。<br /><br /><br /><br />他にも、「<span style="color: rgb(128, 128, 0); ">聖フスタと聖ルフィーナ</span>」の作品は下絵だそうですが、この作風がエル・グレコのようでしたね。びっくりしました。このような作品もあるんですね。もちろん同じスペインで活躍した画家ですから、祭壇画など観てなかったことはないと思います。でもここまで雰囲気を感じさせる絵も珍しいなと思いました。<br /><br />あと、「<span style="color: rgb(128, 128, 0); ">荒野の若き洗礼者ヨハネ</span>」を観ると、若干人のフォルムに違和感を感じるのです。いわゆる理想美を求めたはだかではなく、カラバッジオのようなドラマチックな陰影もない。神格化していない身体を描きますよね。<br />みんなむきむきに描けとは言いませんが、筋肉よりも表情にやはり注力を注いでいたのかなと想像してしまいました。<br />この作品も観られたのは貴重でしたね。<br /><br /><br /><br /><img alt="120127g.jpg" border="0" width="369" height="186" src="//blog-imgs-49-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/120127g.jpg" /><br /><span style="color: rgb(153, 153, 153); ">《着衣のマハ》<br />1800-07年頃 油彩/カンヴァス<br />国立プラド美術館</span><br /><br />さて、真打ちの感想といきたいところですが、<br />生意気なことを言って大変恐縮なのですが、学生時代にプラドで「裸のマハ」と対で観た時の印象から比べるとちょっと物足りなかった。もちろん、「着衣のマハ」はどうのと言いたいわけではないですし、この作品が来ただけでも本当に貴重な機会だと思いますよ。でもやはりあのプラド美術館内の広い空間にどーんと2枚並んで展示されていて二つを見比べる機会を経験していると、「裸のマハ」あっての「着衣のマハ」なのだなと感じました。<br />「裸のマハ」は、すごく絵の具を塗り込んで塗り込んで、情念をすごく感じる絵だなと思ったのです。<br />特に身体の部分。筆にも迷いを感じ、これでもかとかたちを追おうとしている感じを受けました。すごい作品ですよね。<br />でも「着衣のマハ」はそれに比べると描かれている筆跡が少々荒い。さっと描いている部分などもあり、時間は圧倒的に「裸のマハ」の方がかかっているだろうなと感じます。<br />あと、ポーズが二つの絵若干違う。足の格好や、目線の向きに違いがあるんですよね。<br />またぜひとも見比べたい!<br />マドリッドが治安良くなるなら、一人でも行きたいところですが。。<br /><br /><br /><img alt="line2.png" border="0" width="369" height="18" src="//blog-imgs-45-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/line2.png" /><br /><img alt="tug12.png" border="0" width="71" height="31" src="//blog-imgs-45-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/tug12.png" /><br /><img alt="rank4.png" border="0" width="113" height="24" src="//blog-imgs-44-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/rank4.png" /><br /><br /><br />かなりの大盛況で、素描や版画は小さいので人をかき分けながらでちょっと大変でした。<br />それでも金曜夜間開館の時に行ってるので、土日はどれだけ混んだのでしょうね…。<br /><br /><br /><br /><img alt="line2.png" border="0" width="369" height="18" src="//blog-imgs-45-origin.fc2.com/t/e/k/tekutekutoart/line2.png" /><br /><br /><br />国立西洋美術館<br /><br />会期:2011年10月22日(土)~2012年1月29日(日)<br />開館時間:午前9時30分~午後5時30分<br />     毎週金曜日 午前9時30分~午後8時<br />休館日:月曜日(*ただし、1月2日、9日は開館)
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