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特別展「写楽」/東京国立博物館

東京国立博物館で開催されている特別展「写楽」に行ってきました。

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浮世絵は見たことあるけれど、実際時代背景や描かれている内容は分からなかったりしますよね。
この展覧会は、写楽が描いた内容の背景もしっかりと学べます。
さらに、写楽がなぜ独創的だと言われているのか感じ取れる構成になっています。
今回は、写楽が残した浮世絵のほぼ全部、142点を展示しており、ここまで充実した写楽展は今後もないかと思えるほど、力の入った展覧会です。

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《三代目大谷鬼次の江戸兵衛》

大判の錦絵は今の値段でいうとだいたい400~500円程度と言われています。
第一期の写楽の大首絵は雲母摺で摺られています。ので、平均金額よりももっと高かったと思われます。普通、安価で済むものに雲母という特殊な印刷を施すことはしないと思いますので、写楽の絵を蔦屋重三郎がどれだけかっていたかがうかがい知れますね。

雲母摺り(きらずり)
「地潰し」手法の一つで、背景に雲母の粉を摺る技法。
・雲母粉に膠もしくは糊を混ぜて刷毛で直接摺りつける。
・下地に色を摺ってから、その上に糊を摺って雲母を振り掛ける。

2種類の塗り方があります。下地を塗ってからの方法の方がお金がかかるのだそう。

当時の浮世絵は余白をあまりよしとしなかったのでしょうか。紙の地を塗ってしまう構成のものも結構見受けられます。一枚一枚が商品だと思うと、余白が気になる構図のものは売れゆきを気にして、ある程度手の込んでいる構成していたのかもしれませんね。

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鳴り物入りでデビューした写楽でしたが、作品には他の絵師にはないオリジナリティがあったものの、何故か役者が格好よく描かれていないのです。
当時の役者絵は、ブロマイドのようなものでしたから、今で例えると、嵐の松潤がちょっと特長ある似顔絵に描かれたものをファンが買うかどうかというと、買いませんよね。より格好いい方がいいに決まっています。

写楽の作品は、良い意味でも悪い意味でもそれに尽きる気がするのです。
独創的で、今まで見たことない絵を描く絵師。だからこそ、今でも後世に名を残しているのですが、一方当時は独創的すぎてまわりがついてこなかった。
そういった写楽と時代の背景を比較しながら観られて、写楽の独自性を感じとることができます。

今回の展示では、かなり工夫されている構成になっていて、
なぜ写楽は独創的だったのか。
その当時はどのような浮世絵が描かれていたのか。
描かれている内容は何か。


が順を追って観られる構成になっています。

テーマは以下の通り
・写楽以前の役者絵
・写楽を生み出した蔦屋重三郎
・写楽の全貌
・写楽とライバルたち
・写楽の残影


写楽が出てくるまでの浮世絵から、写楽の末期の浮世絵までを観られる構成になっています。


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東洲斎写楽 《三代目坂田半五郎の藤川水右衛門》

この作品は写楽、第一期の頃の作品です。顔の表情が個性を良く表していますよね。
この坂田半五郎、他の絵師も描いています。

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歌川豊国 《役者舞台之姿絵 正月屋(三代目坂田半五郎の藤川水右衛門)》

初代歌川豊国は、その当時の役者絵師としてはかなり人気があったそうで、写楽がすぐに人気が落ちてしまう一方でたくさんの勢いのいい役者絵を残しています。
こちらの絵も見ていて面白いですよね。さらに、この絵には役者の躍動感や威厳のあるオーラも十分出ています。動きを感じる作品ですよね。

こうやって豊国と比べてみると、写楽は顔は面白いものの、大人しい構図に見えてしまうのです。
その部分を比べて感じ取れるのが今回の展覧会の特長であると思います。

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他にも写楽以外でこのような絵師の作品も観ることができます。

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鳥居清長 《曾我祭の役者たち 二代目市川門之助と三代目瀬川菊之丞》

写楽が出てくる以前の浮世絵とは。鳥居清長は紅摺絵の美人画で有名な絵師。まだ寛政の改革の前ですから、煌びやかな人物描写が特徴的です。
写楽が地味に見えてしまう理由は、松平定信の行った寛政の改革の出版統制により、浮世絵の表現にかなり制約が課せられた時代だったから。そういった時代背景を見比べられるのも、展示の楽しみの一つですね。

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喜多川歌麿 《ポペンを吹く娘》

プロデューサー蔦屋重三郎の元、活躍した絵師として今回も展示されていたのが、喜多川歌麿。どうでしょう。この色っぽい美人絵。この作品を観られただけでも価値はある…。と言ってしまうと写楽展という主旨に背いてしまいますが、今回貴重な歌麿の美人画が数点観られるので、浮世絵ファンにはたまらないはず。写楽は女性を描いた作品はほとんどありません。女形はありますが、写楽が色っぽい女性を描いたらどんな絵になったのかなと想像してしまいました。きっと、ユーモアある女性になってしま…う…?



このように、なぜたった10ヶ月だけの短命な絵師だったのか。なのに、写楽がなぜ今の時代でも評価されているのか。この展覧会を観るだけで十分分かります。
テーマとなっている狂言の解説や、摺りの違いの比較など、浮世絵の知らなかったことを余すところなく解説してくれているので、この展覧会は観て絶対損はないと思います。

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浮世絵は小さいので、人が多いと観にくいという傾向がある中、かなりの混雑でした。
昼11時に着いて観たら、まだ余裕はありましたが、覚悟の上観に行った方がいいかもしれません。

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東京国立博物館 特別展「写楽」
会 期:2011年5月1日(日)~6月12日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は閉館の30分前まで)
※土・日曜日、祝日は午後6時まで開館。
休館日:5月16日(月)、23日(月)
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