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アンフォルメルとは何か? ―20世紀フランス絵画の挑戦/ブリヂストン美術館

ブリヂストン美術館で開催されている、
特別展 アンフォルメルとは何か? ―20世紀フランス絵画の挑戦へ行ってきました。

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ブリヂストン美術館が所蔵する作品を中心に構成される企画展。今回はアンフォルメルです。収蔵作品の充実さが如実に表れてる今回の展覧会、国内の美術館からも貴重な作品がたくさん出てきており、見応え十分だと思います。

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アンフォルメルとはフランス語で「フォルムを否定する」という意味。第二次世界大戦後、フォルムのきれいなクレーやモンドリアン、カンディンスキーの抽象とは違いかたちを壊したかたち。かたちではないかたちを追求したものとされています。フランスの批評家ミシェル・タピエが名付け、フォートリエデュビュッフェヴォルスが代表的な作家です。

今回の展覧会ではアンフォルメルはここからここまでという定義がもっと広く設定されているように感じます。ポロックのようにアメリカの範囲まで広げていたいたり、ニコラド・スタールやコブラも今回は含まれており、新しい見方ができる展覧会だなと思いました。普段ブリヂストン常設で観ている作品が多いのですが、違った見方ができるので面白いなと感じました。

公式HPは→こちら

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展覧会内容は以下の通り
第1章 抽象絵画の萌芽と展開
第2章 「不定形な」絵画の登場-フォートリエ、デュビュッフェ、ヴォルス
第3章 戦後フランス絵画の抽象的傾向と「アンフォルメルの芸術」



まず第1章で、アンフォルメル前の作家たちを紹介しています。アンフォルメルの作家たちが、どんな作品を否定してきたのかをはじめに鑑賞できるのです。


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クロード・モネ《黄昏、ヴェネツィア》
モネはやっぱりいつ見てもいいなと思ってしまいますが、印象派のこのような絵画の後を追ってはいけないと思い立った人たちから抽象表現に入っていったわけで、きっかけとなった絵画としての視点で今回は見られて面白いなと感じました。


クレー《島》
石膏に砂を混ぜたものをキャンバスに塗っており、とても物資感を感じる作品です。きっと描いていたとき、このぼこぼこ感がたまらなく面白かったんだろうなと勝手に想像してしまうのですが、有機的な印象も持っている作品です。クレーは「冷たい抽象」と言われていますが、今回の作品はそのように感じませんでした。




第2章では、いよいよ代表的な三人の登場です。

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ジャン・フォートリエ《人質》
わりと小さい作品ですが、この作品が彼の代表作とも言える作品です。ナチスから逃れて病院の一角にアトリエを構えてそこで制作されたものだそうですが、そのアトリエのすぐ横には収容所があり、人が殺される音を日々聞いていたそう。この絵のタイトル人質というように、誰だかわからない番号に還元された存在としての収容された人の姿が無個性に描かれています。

先日6月4日に林道郎さんのトークを聞いてきました。
そこではフォートリエについて解説されており、このようなお話をしてくださいました。

フォートリエが描く絵画は、マチエールはあってもアクションや身体性のものは一切感じられない。テーブルの上に置いて描かれており、まるでケーキやお好み焼きを作る要領と同じように図工や工作を作っているかのような技法だと思う。個性を感じない、無名の物を作っているよう。それでいて無邪気な快感も感じる。絵を描くことを楽しんでいるよう。なので、収容所の人物を描いているが、実像の叫びの作家というわけではなく、政治的な告発でもない。さらに、色彩もキッチュな感じがします。




ヴォルス《雲…》
今回貴重な写真の作品が展示されていました。そうそうは観られる機会もないと思いますので、うれしいですね。今回2枚展示されていたのですが、構図がよく、モノクロの静かな写真ですね。


ジャン・デュビュッフェ《草の茂る壁際》
かなり大きな作品で、印象に強く残りました。アッサンブラーシュで構成されている作品は、デュビュッフェの他の作品とはちょっと違ってデザインの平面構成のようにも感じます。プリミティブな装飾にも通じる構成です。デュビュッフェの作品は、アウトサイダー作品と比べてしまうと技巧的で(当たり前なのですが)私の中で共感できない部分もあったのですが、この作品はすっと受け入れられました。偶然の造形と構成された幾何図形のバランスもいいなと感じた作品です。






第3章ではアンフォルメルといわれている作家の作品です。


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ハンス・アルトゥング《T 1963 K7》
この作品は、最近収蔵されたもので今回が初展示のもの。この作品は、アクリルで描かれていますが、冴えた黒と青のグラデーションが目に止まり、さらに引っ掻いた線がとても印象に残る作品です。この絵に描かれているものは何でしょうか。具体的に何を表しているのかまったく手がかりがつかめません。引っ掻いた線が不安要素にも感じますし、静謐な凛とした印象も兼ね備えています。


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ザオ・ウーキー《07.06.85》
さっぱーん。という音をすぐに思い浮かべてしまいます。抽象画だけれど、具象にも見えます。まるでターナーの印象画のように、空気感、奥行きも感じます。躍動感あるこの絵を描いているとき、きっと気持ちいいんだろうな。と思えるくらい一筆一筆に勢いを感じるのです。鮮やかな青の世界観が観ていてとてもすかっとする絵だなと思いました。



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堂本尚郎《絵画》
水彩を描いてる立場からすると、とてもストロークが参考になる絵だと思いました。そして、余白が気持ちいい。書道を思わせる絵画だと思いました。日本人らしい、「間」を大切にしている作品ですね。朱と黒のJAPANな色合いもまた日本人ならではだと感じました。



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ほどほどの人数でしたが、版画もあったのでじっくり観られる午前中がいいかなと思いました。
コレクション展も同時開催されています。

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ブリヂストン美術館 アンフォルメルとは何か? ―20世紀フランス絵画の挑戦

会期:2011年4月29日(金)~ 2011年7月6日(水)
開館時間:(短縮開館中)10:00~18:00月曜休館
 
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