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長谷川等伯と狩野派/出光美術館

出光美術館で開催中の長谷川等伯と狩野派展に行ってきました。


111126a.jpg


今回の展覧会は、昨年没後400年を向かえた長谷川等伯を、当時の最大ライバル狩野派と比較して展示される試みです。良い意味で見比べることができるので、等伯の魅力、狩野派の魅力がそれぞれ味わえる展覧会となっていました。

公式HPは→こちら

今回は何と言っても長谷川等伯の絵画が3点出ていること。
さらに注目は牧谿の作品と等伯、さらに狩野探幽の作品を一緒に拝見できるところだと思います。



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竹虎図屏風(右隻) 長谷川等伯 桃山時代 出光美術館蔵

この虎の表情がとても猛々しいけれど、ちょっと茶目っ気もあって感情移入してしまいますよね。
さらに何と言っても仕草・動きが独創的です。

当時は言わずもがな狩野派一大勢力の時代でした。信長や秀吉の支持を得て、強大な権力を持っていました。出る杭は打たれる時代の中台頭してきたのが長谷川等伯です。
どんどん独創性を身につけ、伸し上がって行くこの切り込み隊長は、今までの狩野派の作品とは違った作風を確立していきます。
私は立場上、長谷川等伯のそのバイタリティとポテンシャルに勇気をもらったりしてしまうのですが、オリジナリティを作り上げてきた力がこの虎の表情に良く現れているのではないかなと思うのです。

思わず虎の表情をメモしてしまいました。
(しっかりの模写ではないから大丈夫ですよね…?)

「松に鴉・柳に白鷺図屏風」の作品を見ても、動物表現が人間的に感じます。
カラスの家族が描かれているのですが、巣にいる親子が父親の帰りを向かえているシーンで
「あ、お父さんおかえりなさい!」「ただいまー。」なんて絵を観ながら寸劇を想像してしまったり…。そんな微笑ましい場面を味わえます。




その等伯の作品で一番感動したものがこちらが

111126b.jpg
竹鶴図屏風(右隻) 長谷川等伯 桃山時代 出光美術館蔵

遠近感のある空間。余白の美しさ。まさに「等伯ならでは」と言える作品です。
この作品の中で一番良かったのが、竹の描写です。
遠くの竹は薄墨で、一番近い竹は最も濃い黒。その色で描き分ける遠近感もさることながら、竹を表現している筆跡がすごい。
ものすごく渾身の一筆描き。その線は迷いなくとてもしっかりとした垂直線なのです。
しかもよく見ると竹の節ごと一本一本の表情が全部違います。これを描けるのは相当な訓練と描写力・精神力が伴っている証拠だと思います。私が訓練してもこうは描けないと思います。
この竹の描写を観られただけでも大満足。




その等伯がお手本にしたのではと言われている作品がこちら

111126f.jpg
平沙落雁図 牧谿 中国・南宋末~元時代初期

この牧谿は、当時中国での水墨画の主流だった「骨法用筆」を捨て、空気や空間を感じさせる線を描かない手法を確立します。
中国では受け入れられなかったこの作風は日本に渡り、日本人画家に多大な影響を与えます。この作品も線が一切ない。例えは悪いかと思いますが、スフマートのようですよね。
ものを線ではなく面や光でとらえることで、自然な描写と遠近感を作り出すことができます。

この描写が長谷川等伯の作風を確立するためのお手本となったと思うと、他の作品と見比べられる本当に良い機会だなと思いました。



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桜・桃・海棠図屏風 狩野長信 桃山時代 出光美術館蔵

一方狩野派はまさに優雅で雄大。太い線で存在感を表し、とてもきらびやかな作品です。とても魅力ある作品ではありますが、その華々しさにちょっと気後れしてしまうことも。
でも、その完成度の高い今後数百年受け継がれていく様式美が確立された姿は圧巻です。



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柳橋水車図屏風(右隻) 長谷川派 江戸時代 出光美術館蔵

長谷川派は今拝見しても構図にとてもデザイン性を感じる作品が多いです。
図案をものすごく巧みに考えている構図は本当に勉強になります。
優美でもけばけばしくない幾何をうまく取り入れた構図ですよね。
ずっと眺めていたい作品の一つです。



昨年の東博で行われた「長谷川等伯」展で拝見した作品にも再会できる貴重な機会ですし、
狩野派の作品を年代を追って拝見できる贅沢な機会だと思いました。


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rank4.png

混雑していますが、屏風絵は大きいので人の多さは気にならず鑑賞できます。


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出光美術館 長谷川等伯と狩野派

会期:2011年10月29日(土)~12月18日(日)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
     毎週金曜日は午後7時まで(入館は午後6時30分まで)
休館日:毎週月曜日
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