プロフィール

ゆりbutainunana

Author:ゆりbutainunana
デザインとイラストの仕事をしています。アートボランティアとして横浜をうろうろしていることも。
Twitterアカウント @butainunana2

butainunana2のつぶやき
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
検索フォーム

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-

Comment

Comment Form

Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
-

Trackback

Trackback URL

64

野田裕示 絵画のかたち/絵画の姿 /国立新美術館

国立新美術館で開催中の野田裕示 絵画のかたち/絵画の姿
へいってきました。


120121a.jpg



この展覧会は、国立新美術館開館5周年記念として最初の展覧会となるものだそうです。

野田さんの作品を今回初めて拝見したのですが、年代追うごとにどんどん作風が変化してきているところが本当に面白い作家さんであるなと感じました。

公式HPは→こちら


line2.png


展覧会概要は以下の通りです。

第1部 1980年代─絵画の可能性への試み
第2部 1990年代─独自の様式の確立と展開
第3部 2000年代─さらなる可能性を求めて



この年代の区切りが今回の展覧会のかなりのポイントだなと感じました。


120121b.jpg
《WORK 1536》 2003年


初期の頃の半立体、レリーフのような箱形の作品、そして布を折ってキャンバスに貼る手法を主にした作品など1980年代はものすごく力強く、また質感をどう画面に構成していくか、物質感との戦いを垣間見ることができる力作ばかりでした。

立体的なものを作成しているのですが、あくまでも枠の中といいますか、箱の中にきっちりとはめ込んでいて、奥行きもさほど感じさせない。でも素材や絵の具を何層にも積層させる手法は取っているので、とても不思議な存在感を持っているんですよね。
ステイニングのようなしみを作ったり、布もただの布を貼っただけではなく、上から絵の具をたくさん重ねて表情を作っていたり、布をロールで巻き取ったり、折ったり。
まさにクラフト感。ハンドメイドな技法なのですが、そこに手作りのぬくもり感やあたたかみはあまり感じないのです。
鮮やかだったり、暗い色の選択もあるのかもしれませんが、全然やわらかな印象を持っていないんですよね。まさに無骨な印象。

会場ではジャスパージョーンズのようだとよく取り上げられていましたが、確かに半立体の物質感は彼の影響をうけているのでしょうね。ポップアートのウェッセルマンのコラージュ作品の作風のようにも感じました。まるで絵画ではない。でも立体でもない。
存在感のすごさといったらはかりしれないくらい、パワーのある作品だなと感じます。


その後、箱という形態ではなく、キャンバスを袋状にしたものを張った上からさらに綿や麻の布を折ったりして貼り、そこもレリーフ上になっているような表情のある作品と変化していきます。
この作品たちも、とても力強くて布の縫合線が鋭利な印象を持たせているのですが、どこかクールな印象も持っているんです。決してアクションペインティングのようなパッションとは似て否なるものだなと感じました。またキャンバスもかたちが四角く半立体のようにでこぼこしている部分があったりなど、ちょっとシェイプドキャンバスのような加工もしているのです。
このキャンバス自体のかたちの作り方は面白かったですね。あえて凸凹を作っている部分があるのに色はおかまいなしかのように同じ色で塗られているのです。立体感を強調させていない。工夫をあえて施しているのにも関わらず、その部分を目立たなくさせているかのような絵の具の使い方をしているんですよね。
そういう部分を観ると、立体への強いこだわりはないようにも感じてしまうのです。
あくまでも物質感にこだわる。質感、テクスチャへのこだわりですね。

たくさんの絵の具を重ねて重ねて塗られた色は、まるで金属のような質感を感じることもあり、グラフティが描かれた街の壁のようにも感じるのです。
ごつごつしているけれど、クールな印象。
この時期の作品が私は一番いいなと感じました。




さて、90年代になるとその作風は随分と変化します。
今まで何を描いているのか分からないような構図だったのですが、円や葉のようなフォルムが出てきます。色もやわらかい色調になり、だいぶレリーフの要素はなくなり平坦になっていきます。
この変化は一体なにがあったのでしょうね。随分印象もまるくなってくるのです。
急に物語性を感じるような作風になったような気がしました。物質性を追うのではなく、四角い画面にフォルムをどう構成するかに注力を注いでいるような感じがしましたね。


さらに2000年代になってくると、組み合わせている連作になってきます。
まるで六曲一双の屏風絵のような作品までありました。こうなると、初期の頃の無骨で力強い印象よりも、日本人ならではの優美なかたちを追い求めているようにも感じます。
自然から得たフォルムを自分の中に取り入れてそのかたちをキャンバスに表しているような印象を持ちました。


今回は彫刻家の岡本敦夫さんとのコラボレーション作品も特別展示として置かれていました。
石のテクスチャと野田さんの作風がうまく融合していて、とてもいいなと感じました。石の質感もとても良かったです。野田さんが描いてから割るような行程を経ている作品もあって、二人の息のあった制作行程ではないと実現できない作品だなと感じました。


作品点数も非常に多く、一つ一つが大きいものばかりなので、見応え十分。
ごつごつとした不思議な作品にパワーをもらえました。

line2.png

tug12.png
rank2.png


私は5周年無料の日に行って来たので、結構混雑していましたが、場所は広いし、作品は大きいのでゆっくり鑑賞できました。


line2.png


野田裕示 絵画のかたち/絵画の姿
国立新美術館 企画展示室2E(東京・六本木)

会期:2012年1月18日(水)~4月2日(月) 毎週火曜日休館
※ただし3月20日(火)は開館、翌21日(水)は休館
開館時間:10:00から18:00まで
※金曜日は20:00、3月24日(土)は「六本木アートナイト2012」開催にともない22:00まで開館
0

Comment

Comment Form

Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
0

Trackback

Trackback URL

読んだ本
Return to Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。